広島県・神石高原町
標高400〜700mの高原に広がる町、神石高原町。その名の「神石(じんせき)」という二文字に、 すでにこの土地の物語が刻まれています。古代の人々は石に神を見、山に星の降臨を見た―― そんな信仰の記憶を、いまも地名や祭礼、そして一つの山の伝説がひっそりと伝え続けています。
このサイトについて
神石高原町は2004年、旧油木町・神石町・豊松村・三和町の4町村が合併して生まれた比較的新しい町です。 けれどもその土台には、律令時代から続く「神石郡」という郡名があり、さらに遡れば『日本書紀』にまで たどり着く、驚くほど古い記録が残っています。
本サイトが特に光を当てたいのは、政治や戦乱の年表としての歴史ではなく、この土地の人々が何を「神」として 畏れ、祀り、語り継いできたかという記憶のほうです。星が降ったと伝わる山、亀の形をした石、帝釈天を本尊に 戴く峡谷、いまも七つの神楽社によって舞い継がれる神楽――。それぞれの伝承を、できるだけ出典に忠実に、 そして史実と伝説の境界を隠さずにご紹介します。
五つの物語
気になるものから、どうぞお読みください。特に星居山伝説は、この町の信仰史を象徴する一篇です。
星が降った山に、天皇が登った。神石高原を象徴する神話の全貌。
読む →『日本書紀』の「亀石郡」から「神石」へ。石に宿る信仰の言い伝え。
読む →峡谷の名は、仏教の守護神・帝釈天を本尊とする古寺に由来する。
読む →荒ぶる神を鎮める荒神神楽。八ヶ社神楽は1098年創設と伝わる。
読む →毘沙門天の洞窟、名犬の墓、県下最大級の前方後円墳。
読む →柔道9段の名伯楽、大正期の代議士。高原が育てた人々の歩み。
読む →神石牛、創業1716年の蔵元「神雷」。高原の恵みと神々の名。
読む →まず読むなら
大化元年(645年)閏正月元日の夕暮れ、この一帯を昼のように照らして空から星が降った――そう伝わる山が、 標高835m、旧三和町と旧神石町の境にそびえる星居山です。この現象を聞きつけた孝徳天皇みずからが山に 滞在して星の降臨を目にし、「星ノ居山」と名づけたと伝えられています。
記録によって語られ方には幅があり、金星を名乗る神が三つの明星を届けたとする異伝や、聖武天皇と行基が 登詣したという伝承、山頂の石塔を「孝徳天皇の御陵」とする説と「高僧の御廟所」とする説の対立まで、 一つの山に幾重もの物語が積み重なっています。その全体像を、次のページでたどります。
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